経営者保証ガイドラインアンケート結果

【平成29年度実施】

平成25年12月5日に「経営者保証に関するガイドライン」が公表されました。経営者保証に依存しない融資慣行の確立などに向けて、広く普及することが望まれています。本調査は、中小企業・小規模事業者に対してアンケート調査を実施し、同ガイドラインの現状を把握することを目的としています。
平成28年度のアンケート結果 平成27年度のアンケート結果

調査実施時期 平成30年1月
実施主体 独立行政法人中小企業基盤整備機構
調査方法 郵送によりアンケート方式。なお、調査期間中、一部はがきを郵送し督促をおこないました。
有効回答数、回収率 アンケート回収数(有効回答数)10,095件、回収率20.2%
調査対象について 中小機構が指定する全国5万社の中小企業を対象としています。企業情報は、中小機構および信用調査会社の企業情報データベースから抽出しています。
出力用PDF 経営者保証ガイドラインアンケート結果 平成29年度.pdf

Q1

経営者保証に関するガイドラインを知っていますか?

52.4%が聞いたことも見たこともないのが現状です。

Q2

何によってガイドラインを知りましたか?

「金融機関からの説明」によるものが36.6%と最も高く、「中小機構からのダイレクトメール」(23.1%)、「商工会・商工会議所からの説明」(20.0%)が続く結果となりました。

Q3

ガイドラインの内容に関してどのようなことを知っていますか?

具体的な認知の内容としては、「新規借入時に経営者保証なしで融資を受けることができる可能性がある」が74.8%で最も高く、新規融資に関する内容の認知は高い結果となりました。

一方、既存保証の解除や整理に関しては、「既存の保証契約に対して経営者の保証の解除ができる可能性があること」が41.9%、「早期に事業再生/廃業を決断した際、一定の生活費等を残す等の可能性がある」が23.7%などとなっており、新規融資に比べて低い結果となりました。

Q1

経営者の個人保証を提供していますか?

金融機関から借入のある企業における経営者保証の提供状況は、「すべての借入に提供している」が57.4%、「一部の借入に提供している」が29.3%となっており、8割を超える企業(86.7%)が何らかの形で経営者保証を提供している結果となりました。

Q2

経営者保証を提供している方の、今後の提供意向はいかがですか?

経営者保証に関する今後の意向は、「今後の借入は経営者保証無しとしたい」が33.2%で最も高く、「既存借入での経営者保証の解除と、今後の借入での経営者保証なしの両方を希望」(28.6%)、「既存借入の経営者保証を解除したい」(12.2%)を合わせて、“既存借入の保証解除”または“新規借入の保証なし”の割合が7割(74.0%)を超える結果となりました。

Q3

経営者保証に関する相談相手はどのような方ですか?

経営者保証に関する相談相手は、「金融機関」が66.6%、次いで「税理士」が46.4%となり、このほか、「商工会・商工会議所」(13.6%)、「公認会計士」(9.9%)、「中小機構」(7.4%)などが続きました。

Q4

経営者保証の解除を考えている方は、金融機関に対して 解除の申出・相談を行いましたか?

経営者保証の解除に向けた申出・相談の状況として、「経営者保証の解除の申出を行った」が14.5%に止まった一方、「申出・相談を行っていない」が85.5%と大半を占める結果となりました。

申出・相談の具体的な状況をみると、「金融機関から打診があり、申出・相談を行った」が3.6%に止まった一方、「自社から金融機関に対して申出・相談を行った」が10.9%となっており、申出・相談を行った企業の多くは自社から申込・相談を行っています。

Q5

経営者保証解除の申出・相談の結果はいかがでしたか?

Q4の解除の相談・申出を行った企業のうち、「経営者保証が解除された」は40.3%、「経営者保証の額が減額された」は5.9%、「金利の引き上げや融資の減額、保証に代わる不動産担保の要求などの新たな融資条件提示とともに、経営者保証を解除できると判断された」は8.3%、「代替としてABLの活用を融資条件に、経営者保証を解除できると判断された」は1.7%であり、申出・相談をした企業の過半以上が何らかの対応につながっています。

Q6

経営者保証が「解除された」・「解除されなかった」のはそれぞれどのような理由だと考えられますか?

解除された理由としては、「財務内容・業績が安定または良好であるため」が67.5%で全体の3分の2を占めるほか、「金融機関への適時適切な情報開示が出来ていたため」(44.2%)、「会社と個人の資産・経理の分離が出来ていたため」(26.6%)、「金融機関との取引期間が長いため」(25.7%)などの回答が多くみられました。

解除されなかった理由としては、「財務内容・業績が不十分」が47.7%と最も高く、「他行が経営者保証を解除しないため」が27.3%、「会社と個人の資産・経理の分離が不十分」が19.7%となりました。また、「その他」の理由としては、「借入額がわずか」や「借入期間が短い」などの回答がみられました。

Q7

経営者保証解除の申出・相談をしないのはどのような理由ですか? 

解除の申出・相談をしない理由としては、「ガイドラインの存在または内容を知らなかったため」が45.6%と最も高く、次いで「金融機関側からすでに経営者保証を求められているため」が43.0%となりました。
また、「経営者保証の解除により、融資条件が厳しくなる可能性がある」(25.1%)、「心理的に金融機関に申し出または相談しにくい」(23.5%)、「経営者保証を解除できる財務内容・業績ではない」(20.2%)など、ガイドラインを知っていても自社の状態を踏まえて、申出・相談ができないと判断した企業もみられました。

Q8

経営者保証解除の意向がない理由はどのような理由ですか?

解除の意向がない理由としては、「経営者として個人保証をすることは当然のことと考えているため」が54.4%と最も高く、次いで「金融機関との関係を悪化させたくないため」が32.4%となりました。
また、「経営者保証を解除できる財務内容・業績ではない」(18.3%)、「法人と経営者等の区分・分離がされていない」(3.4%)及び「適時適切な開示を満たしていない」(1.3%)など、ガイドラインを知っていても自社では解除の申出ができないと判断し、解除意向がないと回答する企業もQ7と同様見られました。

Q1

事業承継を検討する際、どのようなことが延期・断念の要因となりますか?

事業承継の検討における延期・断念の理由としては、「後継者が見つからない」が35.1%と最も多く、 次いで「自身の経営者保証が解除されない」が33.2%となりました。

Q2

後継者が見つからない理由は何ですか?

後継者が見つからない理由としては、「後継者候補がいない」が最も多く4分の3(77.3%)を占めたものの、「後継者候補はいるが、経営者保証を理由に拒否している」が13.6%あり、経営者保証が後継者が見つからない理由の一つとなっています。

Q3

後継者候補が経営者保証を理由に事業承継を拒否している背景は何ですか?

後継者候補が経営者保証を理由に事業承継を拒否する具体的な背景としては、「自身が多額の弁済をしなければならなくなることが不安である」が73.0%と4分の3近くを占める結果となりました。
また、「経営者保証についてよく分かっておらず漠然とした不安がある」(37.0%)や「自社の財務状況等を正しく理解できていない」(19.6%)など、経営者保証や自社の経営内容についての理解不足も拒否している背景となっています。

Q4

事業承継に伴い、金融機関から経営者保証の解除が得られない場合、どのような状況であれば自身の保証継続を受け入れますか?

「会社の経営が順調であり、保証債務が履行される可能性が低い」が36.1%で最も高く、次いで「事業承継のタイミングで保証は解除されないが、将来的には保証解除の見込みがある」が29.6%となりました。

ガイドラインの活用には、専門的な知識が必要となりますので、弁護士や公認会計士等の専門家に早期に相談することが大切です。中小機構の専門家派遣制度もご利用ください。