ガイドライン活用事例

企業のライフステージから見るガイドラインの活用事例です。

A

創業・成長期

1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、地元で飲食店開業を目的として新規に設立された。当社代表取締役は、地元出身のフレンチシェフであるとともに、東京でレストランの運営や店舗プロデュース、コンサル業務にも従事した経験を有する。
  • 地元の観光スポットにある古民家をレストランに改修し、地元食材を使ったフランス料理を提供することで、地元食材のブランド化、地元雇用の増加、空き家の利活用、交流人口の増加・観光滞在時間の延長、といった地域経済活性化の好循環を生んでいく事業(古民家再生レストランプロジェクト)を、当社を主体として、県、市、支援機関(地元の産業支援センター)と協働して計画したもの。
  • 当行も、産金官連携の一員として、計画に参画してきたもので、32 百万円の融資について、無担保・無保証で検討してほしいとの依頼があった。

2 経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行が創業資金を融資する場合、経営者保証の徴求や担保取得を検討するケースが多いが、本事案では以下の点を考慮して、無担保・無保証で対応することとした。
    • 県・市・支援機関の監修で策定された計画であり、実現性、将来のキャッシュフローに合理性が認められること
    • 事業計画段階で、適切な情報開示を行っており、今後も継続的に適時適切な開示が見込まれること
    • 法人、個人の資産の分離が必ずしも十分でないものの、その必要性を経営者が認識し、事業計画でも分離に取り組むことが前提となっていること
    • 創業後の産金官による地域連携サポートの一環で、地域金融機関として、融資等による資金支援はもとより、経営状況を把握し、適切な指導の下、健全な経営を促していく枠組みとしていること
    • 本事業は、経営者のシェフとしての高い調理技術と、これまでのレストラン運営等の経験により培った経営能力を生かした創業であること
    • 古民家再生を活用し、地物の食材を生かした料理を県内外及び海外観光客に提供することで地域活性化を図るものであること(総投資額52 百万円、当行融資32 百万円、補助金20 百万円)
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例11より)
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1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、放送・インターネット関連事業を営んでいる地元の優良企業であり、山間部への放送・通信等設備の整備を進め、加入世帯数も増加基調を維持しているなど、業況は安定的に推移している。
  • 今般、当社からの通信設備等に関する新規融資の申込みに当たり、当行から「経営者保証に関するガイドライン」について説明し、当社の意向を確認したところ、将来的に株式公開等も見据えているため、無保証の融資を検討してほしいとの申し出があった。

2 経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当社の意向を受け、当行において検討したところ、経営者等から十分な物的担保の提供がないなど、大幅な保全不足ではあるが、以下のような点を考慮し、本件融資については経営者保証を求めずに対応することとした。また、既存の融資に関する保証契約についても、今後、解除することとした。
    • 本社等の資産の一部は経営者名義であるが、当社より適正な賃料が支払われているなど、法人と経営者の資産は明確に区分されていること
    • キャッシュフローが潤沢で利益償還が十分可能なこと
    • 年度決算時や中間決算時等に定期的な経営状況の報告があるほか、当行の求めに応じて、営業の状況が把握できる各種資料の提出を行うなど情報開示には協力的であり、従来から良好なリレーションシップが構築されていること
  • 当社の意向に基づき、経営者保証を求めない新規融資及び既存の保証契約の解除について、迅速に対応したことから、今後一層の取引の深耕が期待される。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例9より)
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1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、農産物生産の大規模化をめざしてスタートした農業生産法人であり、食肉加工、青果加工にも進出し、6次産業化を推進している。
  • これまでメイン行で設備資金中心の資金調達を行ってきたが、事業拡大に伴い運転資金の調達が必要となり、これまで融資取引がなかった当行にも新規融資の相談があった。

2 経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • メイン行では経営者保証の提供を受けて貸出を行っていたが、当行において「経営者保証に関するガイドライン」に基づき経営者保証を求めることが必要か検討を行ったところ、以下の事項が確認できた。
    • 法人と経営者の間の貸借や役員報酬等が、事業規模や収益状況から妥当と判断される水準であり、法人と経営者の資産の区分が図れていること
    • 事業計画に妥当性が認められ、償還に不安がないこと
    • 適時適切な情報開示により経営の透明性が確保されていること
  • また、安定的な販路が確保されており、外部専門会社による検証を行ったところ、売掛債権の担保適格性の確認ができたことから、ABLを活用し、経営者保証を求めないこととなった。
  • メイン行で対応している設備資金と比べると、少額の運転資金の取組みであるが、業容が拡大する中でABLによる新たな資金調達の道が開けたことから、今後の取引深耕が期待される。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例17より)
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創業資金について、法人・個人の資産の分離が不十分であるが、経営者保証を求めなかった事例

1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、地元で飲食店開業を目的として新規に設立された。当社代表取締役は、地元出身のフレンチシェフであるとともに、東京でレストランの運営や店舗プロデュース、コンサル業務にも従事した経験を有する。
  • 地元の観光スポットにある古民家をレストランに改修し、地元食材を使ったフランス料理を提供することで、地元食材のブランド化、地元雇用の増加、空き家の利活用、交流人口の増加・観光滞在時間の延長、といった地域経済活性化の好循環を生んでいく事業(古民家再生レストランプロジェクト)を、当社を主体として、県、市、支援機関(地元の産業支援センター)と協働して計画したもの。
  • 当行も、産金官連携の一員として、計画に参画してきたもので、32 百万円の融資について、無担保・無保証で検討してほしいとの依頼があった。

2 経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行が創業資金を融資する場合、経営者保証の徴求や担保取得を検討するケースが多いが、本事案では以下の点を考慮して、無担保・無保証で対応することとした。
    • 県・市・支援機関の監修で策定された計画であり、実現性、将来のキャッシュフローに合理性が認められること
    • 事業計画段階で、適切な情報開示を行っており、今後も継続的に適時適切な開示が見込まれること
    • 法人、個人の資産の分離が必ずしも十分でないものの、その必要性を経営者が認識し、事業計画でも分離に取り組むことが前提となっていること
    • 創業後の産金官による地域連携サポートの一環で、地域金融機関として、融資等による資金支援はもとより、経営状況を把握し、適切な指導の下、健全な経営を促していく枠組みとしていること
    • 本事業は、経営者のシェフとしての高い調理技術と、これまでのレストラン運営等の経験により培った経営能力を生かした創業であること
    • 古民家再生を活用し、地物の食材を生かした料理を県内外及び海外観光客に提供することで地域活性化を図るものであること(総投資額52 百万円、当行融資32 百万円、補助金20 百万円)
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例11より)
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保全不足ではあるが、経営者保証を求めなかった事例

1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、放送・インターネット関連事業を営んでいる地元の優良企業であり、山間部への放送・通信等設備の整備を進め、加入世帯数も増加基調を維持しているなど、業況は安定的に推移している。
  • 今般、当社からの通信設備等に関する新規融資の申込みに当たり、当行から「経営者保証に関するガイドライン」について説明し、当社の意向を確認したところ、将来的に株式公開等も見据えているため、無保証の融資を検討してほしいとの申し出があった。

2 経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当社の意向を受け、当行において検討したところ、経営者等から十分な物的担保の提供がないなど、大幅な保全不足ではあるが、以下のような点を考慮し、本件融資については経営者保証を求めずに対応することとした。また、既存の融資に関する保証契約についても、今後、解除することとした。
    • 本社等の資産の一部は経営者名義であるが、当社より適正な賃料が支払われているなど、法人と経営者の資産は明確に区分されていること
    • キャッシュフローが潤沢で利益償還が十分可能なこと
    • 年度決算時や中間決算時等に定期的な経営状況の報告があるほか、当行の求めに応じて、営業の状況が把握できる各種資料の提出を行うなど情報開示には協力的であり、従来から良好なリレーションシップが構築されていること
  • 当社の意向に基づき、経営者保証を求めない新規融資及び既存の保証契約の解除について、迅速に対応したことから、今後一層の取引の深耕が期待される。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例5より)
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売掛債権を担保として増加運転資金に対応することで経営者保証を求めなかった事例

1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、農産物生産の大規模化をめざしてスタートした農業生産法人であり、食肉加工、青果加工にも進出し、6次産業化を推進している。
  • これまでメイン行で設備資金中心の資金調達を行ってきたが、事業拡大に伴い運転資金の調達が必要となり、これまで融資取引がなかった当行にも新規融資の相談があった。

2 経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • メイン行では経営者保証の提供を受けて貸出を行っていたが、当行において「経営者保証に関するガイドライン」に基づき経営者保証を求めることが必要か検討を行ったところ、以下の事項が確認できた。
    • 法人と経営者の間の貸借や役員報酬等が、事業規模や収益状況から妥当と判断される水準であり、法人と経営者の資産の区分が図れていること
    • 事業計画に妥当性が認められ、償還に不安がないこと
    • 適時適切な情報開示により経営の透明性が確保されていること
  • また、安定的な販路が確保されており、外部専門会社による検証を行ったところ、売掛債権の担保適格性の確認ができたことから、ABLを活用し、経営者保証を求めないこととなった。
  • メイン行で対応している設備資金と比べると、少額の運転資金の取組みであるが、業容が拡大する中でABLによる新たな資金調達の道が開けたことから、今後の取引深耕が期待される。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例17より)
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B

成熟期

1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、建設工事及び建材卸売業を営んでおり、建材卸売部門では大手メーカーや商社等と代理店・特約店契約を結んでおり、多種多様な商品(内外装タイル、ユニットバス、耐火壁、エレベーター等)を取り扱っている。
  • 震災復興関連工事の受注の増加により増収基調が続いており、内部留保も厚く堅固な財務内容を維持している。
  • 当行は、メイン行ではないものの、増加する震災復興関連工事に伴う資金需要に対応してきたところ、当社から短期資金の借入の相談があった。
  • また、借入の相談の際に、当行本部から送付されたガイドラインのパンフレットを見た経営者から、経営者保証を求めない融資の相談を受けたことから、ガイドラインの内容を改めて説明するとともに、当社から提出のあった直近の試算表や工事概況調等を勘案しつつ、ガイドラインの適用要件等の確認を行った上で回答することとした。

2 経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行の営業店では、案件受付票の作成に合わせ、今回新設した「経営者保証に関するガイドラインチェックシート」を活用し、適用要件の確認を実施している。当該手続による確認の結果、以下のような点を勘案し、経営者保証を求めないで新規融資に応じることとした。
    • 決算書類について「中小企業の会計に関する基本要領」に則った計算書類を作成し、地元の大手会計事務所が検証等を行っているなど、法人と経営者の関係の明確な区分・分離がなされていること
    • 内部留保も厚く堅固な財務内容を維持しており、償還面に問題がないこと
    • 四半期毎に試算表等の提出を行うなど、当社の業況等が継続的に確認可能なこと
  • 当社とは、長年の取引を通じてリレーションシップは十分に構築されている。震災復興関連工事の増加による業況の拡大が、ガイドラインで求められている返済能力の向上に寄与している面は否めないが、当社が、外部専門家による検証等を含め、経営管理の強化に従来以上に取り組むことを表明していることから、当行としても、業況の把握に留まらず、当社の経営管理体制の構築について引き続き積極的にアドバイスを行っていく方針である。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例2より)
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1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、各種帳票の特殊印刷(主に損害保険会社向け保険約款)を中心に、ロールペーパーの製造、一般印刷も手掛けている。
  • 近年の保険契約におけるネット通販化や WEB手続によるペーパーレス化を背景とした主力取引先からの値下げ圧力等から、大幅な減収・赤字となり、既存のシンジケート・ローンの財務制限条項に抵触するまで業績が悪化した。
  • このため、外部コンサルを導入し、安定受注の確保と経費削減を骨子とした「経営改善5ヵ年計画」を策定したところ、経営改善計画1期目は、売上の減少に歯止めが掛からなかったものの、利益面では計画を達成した。
  • このように業績が改善傾向にある中、期限一括返済としていた既存のシンジケート・ローンの期限到来によってリファイナンスを行うに当たり、当行から「経営者保証に関するガイドライン」の内容を説明したところ、当社から経営者保証を求めないでほしい旨の申し出があった。

2 経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行での検討においては、当社は経営改善計画を遂行中であり、法人のみの資産・収益力での借入金の返済は難しい状況にあるものの、以下のような点を勘案し、特約条項(注)に抵触しない限り保証契約が発生しない停止条件付連帯保証契約を活用することとした。なお、本対応については、シンジケート・ローンの協調融資行とも協調の上行っている。
    • 外部コンサルによる計画策定やモニタリングの徹底により、透明性の高い経営がなされていること
    • 経営改善計画2期目の計画達成も視野に入ってきているなど、一定の経営改善が図られてきていること
      • (注) 特約条項の主な内容
      • いずれかの表明事項が真実でないことが判明したこと
      • 借入人又は保証人の本契約上の義務違反が発生したこと(純資産維持、2期連続赤字回避等の財務特約条項を含む。)
      • 保証人による財産、経営又は業況に関する虚偽の開示がなされたこと
  • また、弁護士の指導により、保証債務の整理に関して、「保証人がガイドラインに則った整理を申し立てた場合、各貸付人及びエージェントはガイドラインに基づき、当該整理に誠実に対応するよう努める」旨の規定を保証契約に盛り込んだ。
  • 今回の対応により、今後の当社の経営に関する規律付けと情報開示等による更なるリレーションシップの強化が期待できる。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例19より)
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1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、仏壇仏具店として広く店舗を展開している。
  • 当社は、経営者保証を提供して借入しているが、経営者が高齢なため、保証の必要性については以前から関心があったところ、今般、メイン行から「経営者保証に関するガイドライン」についての説明を受け、当行を含む全取引金融機関に対して、経営者保証の解除についての検討の申し出があった。

2 保証契約の見直しの具体的内容

  • 当社からの申し出を受け、当行において経営者保証の必要性について改めて検討したところ、以下のような点を勘案し、経営者保証を解除することとした。
    • 法人と経営者との資金のやり取りもなく、法人と経営者との関係が明確に区分・分離できていること
    • 増収増益のため業績は良く、法人のみの資産・収益で借入金返済が可能であること(自己資本比率は31.7%、債務償還年数は5年)
    • 決算関係資料や試算表の提出等、必要に応じて信頼性のある情報の開示・説明があり、経営の透明性が確保できていること
  • なお、メイン行を始めとする他の金融機関も経営者保証の解除について了解した。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例34より)
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経営管理の強化に取り組んでいる取引先に対して経営者保証を求めなかった事例

1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、建設工事及び建材卸売業を営んでおり、建材卸売部門では大手メーカーや商社等と代理店・特約店契約を結んでおり、多種多様な商品(内外装タイル、ユニットバス、耐火壁、エレベーター等)を取り扱っている。
  • 震災復興関連工事の受注の増加により増収基調が続いており、内部留保も厚く堅固な財務内容を維持している。
  • 当行は、メイン行ではないものの、増加する震災復興関連工事に伴う資金需要に対応してきたところ、当社から短期資金の借入の相談があった。
  • また、借入の相談の際に、当行本部から送付されたガイドラインのパンフレットを見た経営者から、経営者保証を求めない融資の相談を受けたことから、ガイドラインの内容を改めて説明するとともに、当社から提出のあった直近の試算表や工事概況調等を勘案しつつ、ガイドラインの適用要件等の確認を行った上で回答することとした。

2 経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行の営業店では、案件受付票の作成に合わせ、今回新設した「経営者保証に関するガイドラインチェックシート」を活用し、適用要件の確認を実施している。当該手続による確認の結果、以下のような点を勘案し、経営者保証を求めないで新規融資に応じることとした。
    • 決算書類について「中小企業の会計に関する基本要領」に則った計算書類を作成し、地元の大手会計事務所が検証等を行っているなど、法人と経営者の関係の明確な区分・分離がなされていること
    • 内部留保も厚く堅固な財務内容を維持しており、償還面に問題がないこと
    • 四半期毎に試算表等の提出を行うなど、当社の業況等が継続的に確認可能なこと
  • 当社とは、長年の取引を通じてリレーションシップは十分に構築されている。震災復興関連工事の増加による業況の拡大が、ガイドラインで求められている返済能力の向上に寄与している面は否めないが、当社が、外部専門家による検証等を含め、経営管理の強化に従来以上に取り組むことを表明していることから、当行としても、業況の把握に留まらず、当社の経営管理体制の構築について引き続き積極的にアドバイスを行っていく方針である。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例2より)
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経営者保証の機能の代替として停止条件付保証契約を活用した事例

1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、各種帳票の特殊印刷(主に損害保険会社向け保険約款)を中心に、ロールペーパーの製造、一般印刷も手掛けている。
  • 近年の保険契約におけるネット通販化や WEB手続によるペーパーレス化を背景とした主力取引先からの値下げ圧力等から、大幅な減収・赤字となり、既存のシンジケート・ローンの財務制限条項に抵触するまで業績が悪化した。
  • このため、外部コンサルを導入し、安定受注の確保と経費削減を骨子とした「経営改善5ヵ年計画」を策定したところ、経営改善計画1期目は、売上の減少に歯止めが掛からなかったものの、利益面では計画を達成した。
  • このように業績が改善傾向にある中、期限一括返済としていた既存のシンジケート・ローンの期限到来によってリファイナンスを行うに当たり、当行から「経営者保証に関するガイドライン」の内容を説明したところ、当社から経営者保証を求めないでほしい旨の申し出があった。

2 経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行での検討においては、当社は経営改善計画を遂行中であり、法人のみの資産・収益力での借入金の返済は難しい状況にあるものの、以下のような点を勘案し、特約条項(注)に抵触しない限り保証契約が発生しない停止条件付連帯保証契約を活用することとした。なお、本対応については、シンジケート・ローンの協調融資行とも協調の上行っている。
    • 外部コンサルによる計画策定やモニタリングの徹底により、透明性の高い経営がなされていること
    • 経営改善計画2期目の計画達成も視野に入ってきているなど、一定の経営改善が図られてきていること
      • (注) 特約条項の主な内容
      • いずれかの表明事項が真実でないことが判明したこと
      • 借入人又は保証人の本契約上の義務違反が発生したこと(純資産維持、2期連続赤字回避等の財務特約条項を含む。)
      • 保証人による財産、経営又は業況に関する虚偽の開示がなされたこと
  • また、弁護士の指導により、保証債務の整理に関して、「保証人がガイドラインに則った整理を申し立てた場合、各貸付人及びエージェントはガイドラインに基づき、当該整理に誠実に対応するよう努める」旨の規定を保証契約に盛り込んだ。
  • 今回の対応により、今後の当社の経営に関する規律付けと情報開示等による更なるリレーションシップの強化が期待できる。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例19より)
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他の金融機関と協調して経営者保証を解除した事例

1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、仏壇仏具店として広く店舗を展開している。
  • 当社は、経営者保証を提供して借入しているが、経営者が高齢なため、保証の必要性については以前から関心があったところ、今般、メイン行から「経営者保証に関するガイドライン」についての説明を受け、当行を含む全取引金融機関に対して、経営者保証の解除についての検討の申し出があった。

2 保証契約の見直しの具体的内容

  • 当社からの申し出を受け、当行において経営者保証の必要性について改めて検討したところ、以下のような点を勘案し、経営者保証を解除することとした。
    • 法人と経営者との資金のやり取りもなく、法人と経営者との関係が明確に区分・分離できていること
    • 増収増益のため業績は良く、法人のみの資産・収益で借入金返済が可能であること(自己資本比率は31.7%、債務償還年数は5年)
    • 決算関係資料や試算表の提出等、必要に応じて信頼性のある情報の開示・説明があり、経営の透明性が確保できていること
  • なお、メイン行を始めとする他の金融機関も経営者保証の解除について了解した。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例34より)
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C

債務整理

1 整理の申し出を行うに至った経緯・状況等

  • 観光関連事業者である当社は観光客の減少等により実質赤字が続き債務超過状態に陥った。
  • 主債務については中小企業再生支援協議会による再生支援スキームにより再生ファンドヘ債権を売却した。
  • 保証人2名(代表者及び常務)は、多額の保証債務を負っていたことから、「経営者保証に関するガイドライン」を活用して主債務と保証債務を一体で整理することとなった。

2 当該整理の具体的内容

  • 再生支援スキームは、再生ファンドは備忘価格で全株式を取得、役員派遣・必要資金の追加支援を継続しながら事業再建を支援、再建の目処が立ち次第債権放棄を行い、スポンサー企業に株式を譲渡するという内容。
  • 早期再生に伴う回収見込額の増加額は約439 百万円。
  • 金融機関は再生計画の早期着手により回収見込額が大きく増加し経済合理性が認められること、保証人債務弁済に対する誠意が認められることから再生計画に同意することとした。
  • 経営責任については、代表者は退任。常務は事業継続の観点から代表者として留め、一方、実質的な経営管理は再生ファンドが行う予定。
  • 保証人の資産状況については、弁護士による詳細な調査報告が実施され、自らその内容について表明保証を行った。保証人は合計50 百万円超を弁済原資に充当した上で、以下の資産を残存資産とした。
    • 代表者:破産手続における自由財産(1百万円)、一定期間の生計費約4百万円、自宅、生命保険解約返戻金4百万円
    • 常 務:破産手続における自由財産(1百万円)、一定期間の生計費約4百万円 (自宅については、引き続き借家に居住。雇用は継続。)
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例40より)
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1 整理の申し出を行うに至った経緯・状況等

  • 建築業者である当社は、取引先からの受注低迷で事業の継続が困難な状況となっていたが、経営者とその配偶者(旧取締役)が多額の保証を行っていたため、事業の整理を決断することができずにいた。
  • 当行から、「経営者保証に関するガイドライン」を活用した場合、「早期に債務整理に着手した場合は一定期間の生計費等が残存資産に含まれる可能性があること」や「履行請求額には基準日以降の収入が含まれないこと」等を説明したところ、ガイドラインを活用したいとの申出あり。

2 当該整理の具体的内容

  • 主債務の早期整理と同時にガイドラインに基づく保証債務の整理に着手した結果、配当見込額が増加し、保証人に資産を残せることとなった。保証債務の整理は特定調停手続を活用した。
  • 保証債務の整理の概要は以下の通り。
    • 主債務者は、破産申立により整理を行った。将来的に破産を申し立てた場合の配当見込額は0であるところ、早期に整理を行うことにより30百万円の破産配当が行われることとなり、債権者にとっての経済合理性が認められた。
    • 経営者は、資産を保有しておらず、保証債務全額を免除することとした。
    • 経営者の配偶者は、4百万円の資産のうち自家用自動車1百万円相当と生計費2百万円、計3百万円を残存資産とし、残額1百万円を弁済し、残存する保証債務について債務免除を受けることとなった。
    • 経営者および配偶者は保有する資産の内容を開示し、その正確性についての表明保証を行い、支援専門家である弁護士はその適正性についての確認を行っている。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例42より)
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1 整理の申し出を行うに至った経緯・状況等

  • 地元テキスタイルの老舗である当社は、幅広い素材を手掛け、大手アパレル企業中心に販売基盤を確立していたが、安価な輸入品との競合により売上が減少、5期連続赤字となり大幅な債務超過に陥った。
  • メインバンクである当金庫は、早期の事業譲渡等行うことにより、当社の事業や従業員の雇用を維持するとともに経営者の再チャレンジを進めやすくするためREVICの「特定支援業務」の活用を提案し、当社と協議の上でREVICに相談を行った。

2 当該整理の具体的内容

  • 本件は第三者支援による事業継続が見込まれることから、代表者同士面識があった当社の仕入れ先企業に対し支援の要請を行ったところ、当該仕入れ先企業は当社の販売基盤に魅力を感じていたこともあり、スポンサーとして支援することになった。スポンサーが決まったことを踏まえて、保証人の再チャレンジのほか、従業員の雇用確保の実現に向けてREVICでの特定支援が決定し、債権放棄を含む弁済計画が提示され、取引全行が本計画に合意した。
  • 主債務者の支援スキームは以下の通り。
    • 事業の全部をスポンサーが新設した企業に譲渡。
    • 非事業性の保有資産は換価・処分等を行い、対象債権者へ弁済。残余の対象債権については特別清算手続において債権放棄。
    • 従業員は、希望者全員が事業譲渡先で新規雇用。
  • 保証人(代表者等)の保証債務の整理の概要は以下の通り。
    • 保証人(2 名)のうち1 名は、当該事業者の事業譲渡先にて顧問として再就職。残る1 名も、不動産管理会社に再就職となる。保証人の資産のうち、自宅については担保物件のため売却により債務の弁済に充当するものの、一定の生計費のほか、転居費用などを考慮し生活基盤の確保に必要な現預金等を残存資産とした。
    • 保証人A:保有資産として自宅(時価30 百万円程度、事業者借入のために担保提供)、金融資産(現預金、保険、株式等)12 百万円程度のうち、自宅を売却し売却代金を担保権者に弁済。その上で経営者保証ガイドラインにおける今後の生活費用等(自宅処分に伴い必要となる転居費、医療費等を含む)である520 万円程度を残存資産とした。
    • 保証人B:自宅は非所有、保有財産として金融資産(現預金、保険)1 百万円程度及び自家用車(ローン超過)の全てを残存資産とした。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例49より)
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中小企業再生支援協議会を活用して保証債務を整理した事例

1 整理の申し出を行うに至った経緯・状況等

  • 観光関連事業者である当社は観光客の減少等により実質赤字が続き債務超過状態に陥った。
  • 主債務については中小企業再生支援協議会による再生支援スキームにより再生ファンドヘ債権を売却した。
  • 保証人2名(代表者及び常務)は、多額の保証債務を負っていたことから、「経営者保証に関するガイドライン」を活用して主債務と保証債務を一体で整理することとなった。

2 当該整理の具体的内容

  • 再生支援スキームは、再生ファンドは備忘価格で全株式を取得、役員派遣・必要資金の追加支援を継続しながら事業再建を支援、再建の目処が立ち次第債権放棄を行い、スポンサー企業に株式を譲渡するという内容。
  • 早期再生に伴う回収見込額の増加額は約439 百万円。
  • 金融機関は再生計画の早期着手により回収見込額が大きく増加し経済合理性が認められること、保証人債務弁済に対する誠意が認められることから再生計画に同意することとした。
  • 経営責任については、代表者は退任。常務は事業継続の観点から代表者として留め、一方、実質的な経営管理は再生ファンドが行う予定。
  • 保証人の資産状況については、弁護士による詳細な調査報告が実施され、自らその内容について表明保証を行った。保証人は合計50 百万円超を弁済原資に充当した上で、以下の資産を残存資産とした。
    • 代表者:破産手続における自由財産(1百万円)、一定期間の生計費約4百万円、自宅、生命保険解約返戻金4百万円
    • 常 務:破産手続における自由財産(1百万円)、一定期間の生計費約4百万円    (自宅については、引き続き借家に居住。雇用は継続。)
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例40より)
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特定調停を活用して保証債務を整理した事例

1 整理の申し出を行うに至った経緯・状況等

  • 建築業者である当社は、取引先からの受注低迷で事業の継続が困難な状況となっていたが、経営者とその配偶者(旧取締役)が多額の保証を行っていたため、事業の整理を決断することができずにいた。
  • 当行から、「経営者保証に関するガイドライン」を活用した場合、「早期に債務整理に着手した場合は一定期間の生計費等が残存資産に含まれる可能性があること」や「履行請求額には基準日以降の収入が含まれないこと」等を説明したところ、ガイドラインを活用したいとの申出あり。

2 経当該整理の具体的内容

  • 本件は第三者支援による事業継続が見込まれることから、代表者同士面識があった当社の仕入れ先企業に対し支援の要請を行ったところ、当該仕入れ先企業は当社の販売基盤に魅力を感じていたこともあり、スポンサーとして支援することになった。スポンサーが決まったことを踏まえて、保証人の再チャレンジのほか、従業員の雇用確保の実現に向けてREVICでの特定支援が決定し、債権放棄を含む弁済計画が提示され、取引全行が本計画に合意した。
  • 主債務者の支援スキームは以下の通り。
    • 事業の全部をスポンサーが新設した企業に譲渡。
    • 非事業性の保有資産は換価・処分等を行い、対象債権者へ弁済。残余の対象債権については特別清算手続において債権放棄。
    • 従業員は、希望者全員が事業譲渡先で新規雇用。
  • 保証人(代表者等)の保証債務の整理の概要は以下の通り。
    • 保証人(2 名)のうち1 名は、当該事業者の事業譲渡先にて顧問として再就職。残る1 名も、不動産管理会社に再就職となる。保証人の資産のうち、自宅については担保物件のため売却により債務の弁済に充当するものの、一定の生計費のほか、転居費用などを考慮し生活基盤の確保に必要な現預金等を残存資産とした。 ①保証人A:保有資産として自宅(時価30 百万円程度、事業者借入のために担保提供)、金融資産(現預金、保険、株式等)12 百万円程度のうち、自宅を売却し売却代金を担保権者に弁済。その上で経営者保証ガイドラインにおける今後の生活費用等(自宅処分に伴い必要となる転居費、医療費等を含む)である520 万円程度を残存資産とした。 ②保証人B:自宅は非所有、保有財産として金融資産(現預金、保険)1 百万円程度及び自家用車(ローン超過)の全てを残存資産とした。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例42より)
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REVICの特定支援業務を活用して保証債務を整理した事例

1 整理の申し出を行うに至った経緯・状況等

  • 地元テキスタイルの老舗である当社は、幅広い素材を手掛け、大手アパレル企業中心に販売基盤を確立していたが、安価な輸入品との競合により売上が減少、5期連続赤字となり大幅な債務超過に陥った。
  • メインバンクである当金庫は、早期の事業譲渡等行うことにより、当社の事業や従業員の雇用を維持するとともに経営者の再チャレンジを進めやすくするためREVICの「特定支援業務」の活用を提案し、当社と協議の上でREVICに相談を行った。

2 経当該整理の具体的内容

  • 本件は第三者支援による事業継続が見込まれることから、代表者同士面識があった当社の仕入れ先企業に対し支援の要請を行ったところ、当該仕入れ先企業は当社の販売基盤に魅力を感じていたこともあり、スポンサーとして支援することになった。スポンサーが決まったことを踏まえて、保証人の再チャレンジのほか、従業員の雇用確保の実現に向けてREVICでの特定支援が決定し、債権放棄を含む弁済計画が提示され、取引全行が本計画に合意した。
  • 主債務者の支援スキームは以下の通り。
    • 事業の全部をスポンサーが新設した企業に譲渡。
    • 非事業性の保有資産は換価・処分等を行い、対象債権者へ弁済。残余の対象債権については特別清算手続において債権放棄。
    • 従業員は、希望者全員が事業譲渡先で新規雇用。
  • 保証人(代表者等)の保証債務の整理の概要は以下の通り。
    • 保証人(2 名)のうち1 名は、当該事業者の事業譲渡先にて顧問として再就職。残る1 名も、不動産管理会社に再就職となる。保証人の資産のうち、自宅については担保物件のため売却により債務の弁済に充当するものの、一定の生計費のほか、転居費用などを考慮し生活基盤の確保に必要な現預金等を残存資産とした。
    • ①保証人A: 保有資産として自宅(時価30 百万円程度、事業者借入のために担保提供)、金融資産(現預金、保険、株式等)12 百万円程度のうち、自宅を売却し売却代金を担保権者に弁済。その上で経営者保証ガイドラインにおける今後の生活費用等(自宅処分に伴い必要となる転居費、医療費等を含む)である520 万円程度を残存資産とした。
    • ②保証人B: 自宅は非所有、保有財産として金融資産(現預金、保険)1 百万円程度及び自家用車(ローン超過)の全てを残存資産とした。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例49より)
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D

事業承継

1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、自動車用品卸売業者であり、ガソリンスタンドを主な販売先とし、業況は堅調に推移している。
  • 今般、当社から経営者の交替の連絡を受けた際に、当行において「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証契約の適切な見直しが必要な状況に該当するものと判断し、当社にその旨を説明したところ、前経営者の保証の解除とともに、新経営者からの保証も可能であれば提供せずに取引を継続したい旨の意向が示された。

2 保証契約の見直しの具体的内容

  • 当社の意向を受けて、当行において検討したところ、以下のような点から、法人と経営者との関係の区分・分離が図られていること等を勘案し、前経営者の保証を解除するとともに、新経営者に対しても新たな保証を求めないこととした。
    • 事業用資産は全て法人所有であること
    • 法人から役員への貸付がないこと
    • 当社の代表者は内部昇進での登用が中心であり、その親族は取締役に就任しておらず、取締役会には顧問税理士が監査役として参加しているなど、一定の牽制機能の発揮による社内管理態勢の整備が認められること
    • 法人単体の収益力により、将来に亘って、借入金の返済が可能であると判断できること
    • 財務諸表のほか当行が求める詳細な資料(試算表等)の提出にも協力的であること
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例28より)
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1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、建設業者として高い施工技術を持ち、一定の経営基盤や収益環境を構築している。
  • 平成25 年10 月期決算は、公共工事の減少により売上は事業計画を下回ったものの、コスト削減により事業計画を上回る経常利益を確保するなど、財務内容の改善に向けた取組みが見られた。
  • こうした中、健康上の理由により前経営者が平成25 年10 月に退任したが、既存の借入金について前経営者が提供していた保証の解除は行わず、新経営者とともに保証の提供を引き続き受けていた。
  • 今般、当金庫から、「経営者保証に関するガイドライン」の説明を行ったところ、前経営者が当社の株式を譲渡するなど、当社と全く関係のない立場となったことから、前経営者による保証の解除について当金庫に相談があった。

2 保証契約の見直しの具体的内容

  • 当社からの相談を受け、前経営者と当社の現在の関係を確認したところ、前経営者が保有していた当社の株式は全て譲渡され、前経営者は経営にも全く参画しておらず、実質的にも当社と関係のない立場にあることが確認できたため、「経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないことを原則とする」監督指針の趣旨を踏まえ、前経営者との保証契約の見直しを検討することとした。
  • 当金庫において検討を行ったところ、新経営者から保証の提供を受けていることや業況回復への当社の取組状況を勘案し、前経営者の保証を解除することとした。
  • 当金庫は、メインバンクとして当社との信頼関係を維持するため、本件保証契約の見直しに取り組んだところ、当社からは当金庫の対応を高く評価され、リレーションシップの強化を図ることができた。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例27より)
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経営者の交替に際し、前経営者の保証を解除し、新経営者から保証を求めなかった事例

1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、自動車用品卸売業者であり、ガソリンスタンドを主な販売先とし、業況は堅調に推移している。
  • 今般、当社から経営者の交替の連絡を受けた際に、当行において「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証契約の適切な見直しが必要な状況に該当するものと判断し、当社にその旨を説明したところ、前経営者の保証の解除とともに、新経営者からの保証も可能であれば提供せずに取引を継続したい旨の意向が示された。

2 保証契約の見直しの具体的内容

  • 当社の意向を受けて、当行において検討したところ、以下のような点から、法人と経営者との関係の区分・分離が図られていること等を勘案し、前経営者の保証を解除するとともに、新経営者に対しても新たな保証を求めないこととした。
    • 事業用資産は全て法人所有であること
    • 法人から役員への貸付がないこと
    • 当社の代表者は内部昇進での登用が中心であり、その親族は取締役に就任しておらず、取締役会には顧問税理士が監査役として参加しているなど、一定の牽制機能の発揮による社内管理態勢の整備が認められること
    • 法人単体の収益力により、将来に亘って、借入金の返済が可能であると判断できること
    • 財務諸表のほか当行が求める詳細な資料(試算表等)の提出にも協力的であること
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例28より)
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当社との関係がなくなった前経営者の保証を解除した事例

1 主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、建設業者として高い施工技術を持ち、一定の経営基盤や収益環境を構築している。
  • 平成25 年10 月期決算は、公共工事の減少により売上は事業計画を下回ったものの、コスト削減により事業計画を上回る経常利益を確保するなど、財務内容の改善に向けた取組みが見られた。
  • こうした中、健康上の理由により前経営者が平成25年10 月に退任したが、既存の借入金について前経営者が提供していた保証の解除は行わず、新経営者とともに保証の提供を引き続き受けていた。
  • 今般、当金庫から、「経営者保証に関するガイドライン」の説明を行ったところ、前経営者が当社の株式を譲渡するなど、当社と全く関係のない立場となったことから、前経営者による保証の解除について当金庫に相談があった。

2 保証契約の見直しの具体的内容

  • 当社からの相談を受け、前経営者と当社の現在の関係を確認したところ、前経営者が保有していた当社の株式は全て譲渡され、前経営者は経営にも全く参画しておらず、実質的にも当社と関係のない立場にあることが確認できたため、「経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないことを原則とする」監督指針の趣旨を踏まえ、前経営者との保証契約の見直しを検討することとした。
  • 当金庫において検討を行ったところ、新経営者から保証の提供を受けていることや業況回復への当社の取組状況を勘案し、前経営者の保証を解除することとした。
  • 当金庫は、メインバンクとして当社との信頼関係を維持するため、本件保証契約の見直しに取り組んだところ、当社からは当金庫の対応を高く評価され、リレーションシップの強化を図ることができた。
出典:金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成29年4月改訂版事例27より)
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